どのようにすれば、「未来の大阪」が、世界に向けて発信力を
高めることができると思いますか
最優秀賞
松山 心寧 さん
「世界の心に響く親切の街」
大阪の良い所は、人がおせっかいなほどに親切な所だ。大阪を世界に向けて発信するためには、大阪人の魅力である親切心をアピールするべきだ。その手段として、大阪の人達のおしゃべり好きを利用してアプリやSNSで広める。具体的には「おおきに」の連鎖でフォロワーを世界に広げる取り組みを提案する。
私は以前、母と障がいのある弟を連れて出かけた時、着いた駅にエレベーターがなくて母と途方に暮れたことがあった。その時にたまたま通りかかった男子高校生2人が声をかけてくれた。荷物をたくさん積んだ車椅子を2人で抱えて階段を上り改札階まで運んでくれた。母と私はその後をゆっくりと弟の手を引いて上った。その時母が涙ぐんでいたのは階段が大変だったからではなくて、親切心が嬉しかったからだ。
私は親切にされた時思わず誰かに話したくなる。親切にしてもらってぽっと心に火が灯るように暖まった気持ちを身近な人と共有したい。だからこの気持ちをSNSに発信し、暖かい気持ちが多く人にひろがっていけば、世界のどこからも大阪は素晴らしい共感力のある魅力的な都市に映るだろう。
そのための方法として、まずは親切に出会った時に「おおきに」ボタンを押せるアプリをつくる。他人からの突然の親切は嬉しくてつい人に話したくなるし、何しろ大阪人はおしゃべりだから、親切にされた事は他人に言わずにはいられない。さらに、「おおきに」の内容を投稿して知人友人に広め、それを見て共感した人達がフォローする。その際、大阪人はちょっとしたお得感が大好きだから、投稿の度にポイントが貯まり、貯めたポイントでミャクミャクグッズ等が当選するとなれば大いに盛り上がる。
さらにその取り組みを大阪に訪れた観光客に体験してもらう。観光客にとっては立派な大阪文化体験となる。観光客は名所巡りとどまらず、大阪人の人間性に触れて親しみを感じ、また来たいと思うだろう。それは土産話となり、来日したことがない異国の子どもから高齢者まで、また障がいなどで様々な理由で移動が困難な人など多様な人々が大阪に興味を抱くきっかけとなる。
そのようにして大阪の魅力が伝われば一時の流行りにとどまらず将来にわたって世界中に大阪のファンが根付き、普遍的な価値をも未来都市となる。
審査員講評
自身のエピソードを基にして、「親切心」と「おおきに」という大阪の良さや文化を大切にした未来の大阪の姿と世界に向けて発信力を高める方法について、独創性・創造性のあふれた具体的な提案がされている。また、テーマを自分事としてとらえ、自分ができそうなことを提案できている点も評価できる。
「ぽっと心に火が灯るように」といった文章表現も豊かで、自身の思いが伝わる万博のテーマに沿った内容となっている。
優秀賞
神保 友哉 さん
「未来の大阪は日本と世界をつなぐ場所」
現在、大阪には堺の刃物などの今も残されている伝統やユニバーサルスタジオジャパンなどの有名な世界中から注目を集める場所があります。また僕はそれらは現在の大阪が世界に向けた発信力があることを示していると思います。そこで、僕は現在の大阪よりも世界に向けた発信力を高めた未来の大阪を実現するための二つの案を考えました。
一つ目の案は万博のような世界との関係を深める場を今より多く設けて未来の大阪を世界が交流する場所にするという案です。これを考えた理由は現在の大阪は過去に二回も万博を開催したり世界の七つの都市とつながり幅広い分野で交流をして友好都市と呼ばれたりする程世界との交流を大事にしています。そのためこれから世界と交流する場所をさらに増やせば世界と大阪との関係が深まり、未来の大阪をインターネットなどを通じて世界に広めることができる、つまり世界に向けての発信力を高められると考えたからです。
二つ目は能楽をプロジェクションマッピングを使ってするような大阪の伝統と最新技術を組み合わせた世界から注目を集めるものを作るという案です。これを考えた理由は現在の大阪に堺の刃物のような日本では全国的に高いシェアを誇り世界が注目する伝統と大阪の主な産業であり出荷額が日本全国で一位の化学工業、鉄鋼業、金属製品などの日本全国に誇れる産業があるからです。
僕はこのように世界に向けて発信力を高めるためには世界との交流を増やして関係を深めることや大阪の伝統を受け継ぎ発展させることが大事だと思い、この二つの案を考えました。また、僕はこの二つの案を皆で協力し合い実現するだけではなくインターネットなどを使って世界に広めることで未来の大阪は世界の人々が交流し、世界に向けての発信力が高い場所にすることが出来ると考えています。
審査員講評
現在の大阪の良さを捉え、未来の大阪の発信力を高める方法として、堺の刃物や能楽といった大阪の伝統と最新技術を融合させ、これまでの伝統や文化を継承しつつ、未来へと発展させていくことが提案されている。
中武 優凪 さん
「万博開催後、どうする?」
2025年の大阪関西万博は、大阪の魅力を世界に発信する大きな機会です。しかし、開催後にはもう世界からの注目がなくなってきた!というのではよくありません。なので万博後の本会場の夢洲や大阪をどのように活用するか、考えていきましょう!
まず3つ目は国際会議や文化イベントなどを定期的に開催し、世界の注目を維持することです。万博開催後も注目を集めることで海外大学や企業、都市と文化交流する機会が増え、大阪の国際的存在感が高まるでしょう。
2つ目は万博開催で得た技術、情報を使い国際的なビジネス拠点を作ることです。スタートしたばかりの会社のフォローや大企業の本社誘致を行い、ビジネス会議の場としたりコワーキングスペースとしたりしても活用できます。
3つ目は、大阪独自の食、文化、歴史などを発信する観光スポットとすることです。特に万博会場やパビリオンを利用した展示や発表は大阪を持続可能な都市であるということを世界に印象づけることができます。また、国際交流から生まれた大阪の文化を伝えることも、観光客に魅力的な都市として認知されるためによい方法だと思います。SNSやウェブサイトを通じて多言語で最新の取りくみや魅力を発信するとより効果的です。
そして、地元大阪府民や政府と連携することも重要です。夢洲やその周辺を構造開発特区等の特区に指定させ特例措置を始めとした優遇を受けることで計画を円滑に進められます。また、そのためには府民の理解も必要なため説明を十分に行うことが大切です。
このような取り組みを通して大阪が万博を機に国際社会での地位を高め、より発展していけるといいなと考えています。大阪関西万博も、その後も大阪が国際社会で輝く都市になりますように。
審査員講評
万博についてしっかりと調べ、理解したうえで、自分なりの考えが書かれている。万博を一過性のものにしてはいけないということを課題として捉え、未来の大阪が世界に向けて発信力を高めるための多様な方法が提案されている。
佳作
水谷 楷 さん
「未来の大阪への三つの提案」
私は大阪がグローバルで最先端の技術を世界に発信する都市になってほしいと思っている。そこで、私は三つの提案をしたい。
まず一つ目は、大阪を環境にやさしい都市にすることだ。例えば、大阪は公園が少ない。また、他都道府県と比べ自然を感じる場が少ない。そこで、公園の数を増やし、町のいたる所に木を植えて緑化を進めると良いと思う。世界では地球温暖化に関心が集まっている。大阪を環境にやさしい都市にすることで、皆が住みやすくなり、世界中の人が魅力を感じると思う。
二つ目は、最先端技術の発信地に大阪がなることだ。大阪は中小企業が多い。中小企業が互いの良さを活かし協力し合い、新しい商品を開発していくと良いと思う。大阪は古くからものづくりで栄えた都だ。だから、その強みを活かすべきだ。大阪の工場にはそれぞれの良さがある。その良さを活かし、様々な商品を生み出してほしい。また、海外の技術を積極的に取り入れることも大切だと思う。
三つ目は外国人が住みやすい都市づくりをすることだ。例えば、看板など全ての標記に英語だけではなく他の言語をのせると良いと思う。また、外国との交かん留学を活発にしてはどうだろうか。この夏、私はオーストラリアにホームステイしたのだが、ウェブサイトを見るのと、実際に現地に行くのでは、全々違うなと感じた。人と人との交流が信頼関係を生む。信頼関係ができれば、たくさんの外国人が大阪に訪れると思う。それは、観光業の発展や少子高齢化への対策にもつながると思う。
環境にやさしく、最先端の確かな技術を持つことで世界の人が大阪にもっと魅力を感じると思う。その魅力を発信する力を高めるためには、何よりも国を超えて人と人との信頼関係をつくることが大切だと考える。
審査員講評
「環境問題」、「中小企業」、「外国人が住みやすい」といった、大阪の課題に対応する具体的な提案が記載されている。また、世界に向けて発信力を高める方法について、自身の経験も交えて具体的な提案がされている。
森井 祐衣 さん
「未来の大阪を明るくする、今私たちができること。~いのちに力を与える~」
2025年大阪万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」です。その中でも私は「いのちに力を与える」というサブテーマが、万博開催後、世界に発信していく大きなカギになると考えます。関西の中でも大阪は、再生医療をはじめとした様々な先端技術の中心となる都市です。大阪にはたくさんの学校もあり、教育もとても充実しています。私自身、この環境にいるからこそ「いのちに力を与える」イコール私たち一人一人がそのような生き方をしていく事が大切である、と考えます。具体的には、両親から与えられた「命」が当たり前ではない事、家の中だけでなく、学校や社会のサポートもあって、今生きている事を、私たち自身が受け取められると、もっと自分自身を大切にする事ができます。そうすると、今生きている事が「有り難い事」と思えるようになり、人に感謝したり、優しくできたりし、自分も相手も大切にできます。自己肯定感が上がると、自分も満たされ、あふれたエネルギーが、他者や社会を満たそうとするので、これこそが今あるいのちに力を与える行為につながっていくと、私は考えます。
未来の大阪が世界に向けて発信力を高めていくためには、私たち一人一人の「生きる」事への意欲が高まり、大阪を元気で、笑顔であふれる街にしたい!大好きな日本の中の大阪にしたい!という思いを大きくしていく事が大切です。今はSNSなど、一人一人の発信力が大きい時代です。だからこそ、批判するばかりの発信ではなく、自分がされたら嬉しい事や、人の喜びが自分の喜びになるような発信が必要です。そのために、私たち自身が自分を大切に、大阪を大切に思う事が一番の発信力を高めていく秘訣になります。より良い世界に私たちでしていきます。
審査員講評
「いのち」をテーマに、人と人とのつながりを大切にし、他者を尊重できることは、大阪を元気で笑顔あふれる街にし、発信力を高めることにもつながることが提案されている。また、「私たち自身が自分を大切に」というメッセージが心に残る。
飯田 理人 さん
「奇想天外、奇妙奇天烈、ザ・大阪!!」
僕は生まれ育った大阪の街が大好きだ。大阪の魅力はなんといってもその「おもろい」文化にある。このおもしろさを、まだ世界に十分伝えきれていないと思っている。どうすれば大阪の「おもろい」を伝えられるのか?僕は、様々な場で「奇想天外、奇妙奇天烈、ザ・大阪!!」をテーマとした仕掛けを置くことを考えた。
仕掛けは、まず日本に入国した時から始まっている。到着を楽しませる「寿司くいねぇターンテーブル」の出番だ。到着ロビーの荷物受取りターンテーブルを回転寿司店に見立てる。法被にねじりハチマキ姿の空港スタッフの出迎えのなか、ターンテーブルには、金、銀、赤、白、青など、回転寿司屋さながら色とりどりのお皿を巨大サイズで設置し、ターンテーブルが回りだすと同時に、『スシ食いねェ』の曲が流れ、巨大皿のうえに、スーツケースが置かれて出てくる演出だ。旅の期待とワクワクが回りだす。
次に、大阪の神髄である「お笑い」を体験できる「漫才パーク」を開設する。至るところに「ありえへん」素材を配置する。新開発ロボット「なんでやねーん君」がパーク内をガイドしながら、ビリケンさんやグリコランナー、食い倒れ太郎がボケ倒している突っ込みどころ満載のパークや、最新生成AIを活用した、人間にはできない高音高質高速な漫才パフォーマンスなどを通じて、立派なツッコミ屋に育て、笑顔になってもらう。
出国の際には、新たに作曲した大阪音頭で見送る。メロディーは同じだが、各旅行者の思い出を表現した歌詞になるように設計し、オリジナル感満載に仕上げる。曲の最後には決めセリフとして、「大阪はあんたを逃がせへんで~♪」を必ずいれ、虜にさせる。
このように、どこにでも「おもろい」文化を存分に発揮することができれば、未来の大阪も笑いに包まれた明るいものになっているに違いない。
審査員講評
「おもろい」をテーマにし、一貫したストーリーでひきつけられる。外国から大阪に来た人が大阪の文化や良さを、最新技術も駆使して、ユニークな体験ができるようにすることで、大阪の魅力の発信力を高めることにもつながるという具体的な提案がされている。